基礎三分野公式集
近似
近似の公式はマクローリン展開やテイラー展開を打ち切ることにより導出できるが形を覚えておくと式変形の発想力のためになる.以下の近似の公式は全て微小な物理量についての1次近似であり,公式を適用するなら,式変形によって2次の項がでた場合,0次や1次の項に比べて無視できるなど適切に近似する必要がある場合がある.
近似の公式 | 条件 | 補足 |
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二項定理 | ||
の条件の上式 | ||
他の三角関数の近似はに変換して考えるとよい.またが負のときや係数がついているなど式の塊のとき形が違って見えることがあるので何が微小なのか意識して近似する.微小量との和の累乗の近似は自然数乗特に2乗においては単に2次の項を落としたと考えてよい
力学
テクニック・知識
公式 | 解説 |
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速さを用いて変数分離形化するテクニック 連鎖律 時間に関する式や量を求めるとき第2式,距離に関する式や量を求めるとき第3式を用いる 時間,距離,速さでなくても2階微分方程式の解法として応用できる | |
よく使う変形 積の微分則 | |
直線運動における仕事率による力 | |
固有角振動数 | |
単振動において運動方程式の式変形により固有角振動数を求める | |
ポテンシャルの安定()平衡()点における1次元微小振動はばね定数の単振動とみなせる として振幅を求めるたりできる | |
畳み込み | |
換算質量 2体系において相対位置で換算質量の1体問題に帰着させることができる エネルギー保存則が成り立つ系なら帰着した系でも成り立つ | |
Coriolisの力 速度に垂直なので仕事はしない |
定義・原理等
覚える.
式 | 解説 |
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運動方程式 | |
運動エネルギー | |
仕事 | |
エネルギー原理 運動方程式から導出 | |
運動量 | |
力積 | |
運動量原理 運動方程式から導出 | |
角運動量 | |
力のモーメント | |
力積モーメント | |
運動量原理 運動方程式から導出 | |
保存力の必要上十分条件積分形 | |
保存力の必要上十分条件微分形 | |
ポテンシャルと保存力の関係積分形 | |
ポテンシャルと保存力の関係微分形 | |
力学的エネルギー | |
力学的エネルギー保存則 | |
重力ポテンシャルのポアソン方程式 発散定理により重力加速度を求める |
導出
公式は覚えなくてもよいがそれを基本に問題を解くことがあり,なるべく早い導出を身に着ける.
放物運動の経路曲線の導出
放物運動の命中角の導出
※はの鉛直投射の最高点高さである.
安全限界放物線の導出
命中角が重解のとき限界であるため
放物運動の最高点到達時間の導出
放物運動の最高点高さの導出
放物運動の水平落下時間の導出
大きいほうの根をとり
※放物線の対称性より最高点到達時間の2倍
放物運動の水平到達距離の導出
速度比例抵抗一様重力場中の速度の導出
速度比例抵抗一様重力場中の位置の導出
速度比例抵抗一様重力場中の経路曲線の導出
速度比例抵抗一様重力場中の最高点到達時間の導出