2体問題
質点・質点系・剛体の力学において複数の質点(剛体の場合衝突しないことを考え重心にある同質量の質点に置き換える)が相互作用しながら運動する系のことを多体系といい,全質点の運動を解く問題を多体問題という.特にn個の質点においてはn体系,n体問題という.1体問題はただの質点の運動である.外力のない内力が万有引力の1, 2体問題は厳密に解析的に解けることが知られているが,3体以上の多体問題は積分法によって一般に解くことができないことが数学的に証明されている.よって現代物理学では摂動論という近似理論で解いたり計算機を使って数値解析によって解くのが普通である.量子論においても同様で厳密に解けるのは電子と陽子からなる水素原子のような系のみであり様々な近似法が編み出された.
重心・相対運動方程式
外力が働く2体系の運動方程式は
であり,内力を
とすると作用反作用の法則より
となる.重心位置,相対位置を
とすると
となり,さらに全質量,換算質量を
とすると
となる.これらはそれぞれ重心運動方程式,相対運動方程式という.もし外力がなく内力が中心力(相対位置のベクトル方向で大きさは相対距離の関数値であるような力)であるとき
とそれぞれ1体問題に帰着する.
第一積分
第一積分(保存量)を調べる.重心運動方程式を時間積分すると
が得られ
より
が得られる.それぞれ重心位置の初期速度と初期値であり重心積分という.相対運動方程式をで線積分すると
ここで後藤憲一力学演習§6〔1〕より中心力はポテンシャルをもつため積分路によらず上端下端をそれぞれとし,それぞれの時刻の相対位置をとすると
が得られる.
はを基準とするポテンシャルとみることができ相対座標と換算質量からなる力学的エネルギーの保存則が成り立っていることがわかる.また両辺を相対位置と外積をとって
より
これは面積速度一定の法則と等価で,また2質点は同一平面上を運動することを意味する.まとめると
のこれら10の量が保存される.少なくとも万有引力のような逆二乗の中心力を仮定するとさらに2つの独立な第一積分が得られる.
基底
物理学において座標は直交座標系が最も基本的でベクトルの基底は直交座標系の3軸に平行な正規化(自身との内積が)された正規直交基底をとるのが普通である.直交座標系における基底は空間上のどの点においてもそれぞれ同じ方向,同じ大きさの基底をとることができる(図1参照).しかし曲線座標系(例:2次元 極座標系,3次元 円筒座標系,球座標系)や質点に固定された自然座標系では空間上の各点で別の基底をとる(図2参照).
図1
図2
曲線座標系
曲線座標系の基底
曲線座標系において基底は図2のように各点でパラメータの接線方向にとり,直交座標系のパラメータを,基底を,曲線座標系のパラメータを,基底をとすると
と定義される.極座標系を例にみると,直交座標系のパラメータを,基底を,極座標系のパラメータを,基底をとすると
となる.
であるため,偏微分は
となり
となる.は正規であるがは自身との内積はであり扱いずらい.そこで正規化してさらに
という基底を用いればよい.
このパラメータの変換と正規化の手続きを知れば任意の曲線座標系の基底は導出することができる.よく使う曲線座標系の直交座標系との取り換えを表にする.
座標 | パラメータ | 基底(正規化) |
---|---|---|
極座標系 | ||
円筒座標系 | ||
球座標系 |
※球座標においてはの定義に様々な流儀がありここでは経度角を,軸からとった緯度角をとした
※※極座標系の原点,円筒座標系,球座標系の軸上はパラメータが決まらない特異点であるため基底をとることができない
※※※たまたま極座標系と円筒座標系と球座標系の基底は直交基底であるだけで一般の曲線座標系では斜交することがある
曲線座標系における質点の運動
曲線座標系がおかれた空間の中を質点が運動していることを考える.曲線座標系において速度と加速度は
と定義される.速度は各パラメータの時間微分を成分とし,パラメータの接線方向の基底との線形結合になっている.加速度は速度の時間微分になっている.ここで注意したいのは基底は空間の各点で別であるためパラメータの関数となっており,今は曲線座標系における質点の運動を考えているためは質点の座標を表しており時間に依存する.つまり基底は時間に依存する.よって速度を微分するということは速度の成分と基底の積の微分をするということである.極座標系を例にみると
と計算され
であるため
となる.
曲線座標系の接線方向の基底の導出の仕方と速度や加速度の定義を知れば任意の曲線座標系の速度や加速度は導出することができる.直交座標系は曲線座標系の特別な場合とみることができるが,よく位置ベクトルを使って速度や加速度を
と定義する文献をみかけるが,それは直交座標系の基底が時間に依存しないからできることであって曲線座標系の観点からみると間違いである.そもそも曲線座標系のパラメータと基底で位置ベクトルを定義できない.一般相対論では時空が歪むため曲線座標系が主役となり今や位置ベクトルとは廃れた概念である.また
と定義するのもNGである.
自然座標系
図3
自然座標系の基底
直交座標系も曲線座標系も空間に対し制止しており舞台の役割をなすが,質点の運動の記述では質点に追跡するような座標系を考えることもできる(図3参照).そこで有効なのが自然座標系である.自然座標系は質点が通る経路上の基準点からの弧長(経路にそって測った距離,質点の移動距離)と質点の微小変位ベクトル※を用いて定められる,これから説明する接線方向,主法線方向,陪法線方向に3軸を置く直交座標系である.接線方向とは書いて字のごとく経路の接線の方向であり質点の移動方向を正とする.接線方向の単位ベクトルはが接線方向を向きであるため
と定義される.あるいは速度ベクトルが接線方向を向くため正規化して
とも定義できる.この定義の等価性は
と変形して示される.ここで
であることに注意されたい.主法線方向とは接線の変化の方向であり
の方向を向き接線方向に垂直である.説明を省くがこのベクトルの絶対値は曲率であるため曲率半径(曲率の逆数)をかければ正規化される.よって主法線方向の単位ベクトルは
と定義される.陪法線方向とは接線方向,主法線方向に垂直な方向であり,よく接線方向から主法線方向へ右ねじの方向を正とし
と定義される.
※余談であるが微小変位ベクトルは厳密にはと定義され位置ベクトルは用いてない
基礎三分野公式集
近似
近似の公式はマクローリン展開やテイラー展開を打ち切ることにより導出できるが形を覚えておくと式変形の発想力のためになる.以下の近似の公式は全て微小な物理量についての1次近似であり,公式を適用するなら,式変形によって2次の項がでた場合,0次や1次の項に比べて無視できるなど適切に近似する必要がある場合がある.
近似の公式 | 条件 | 補足 |
---|---|---|
二項定理 | ||
の条件の上式 | ||
他の三角関数の近似はに変換して考えるとよい.またが負のときや係数がついているなど式の塊のとき形が違って見えることがあるので何が微小なのか意識して近似する.微小量との和の累乗の近似は自然数乗特に2乗においては単に2次の項を落としたと考えてよい
力学
テクニック・知識
公式 | 解説 |
---|---|
速さを用いて変数分離形化するテクニック 連鎖律 時間に関する式や量を求めるとき第2式,距離に関する式や量を求めるとき第3式を用いる 時間,距離,速さでなくても2階微分方程式の解法として応用できる | |
よく使う変形 積の微分則 | |
直線運動における仕事率による力 | |
固有角振動数 | |
単振動において運動方程式の式変形により固有角振動数を求める | |
ポテンシャルの安定()平衡()点における1次元微小振動はばね定数の単振動とみなせる として振幅を求めるたりできる | |
畳み込み | |
換算質量 2体系において相対位置で換算質量の1体問題に帰着させることができる エネルギー保存則が成り立つ系なら帰着した系でも成り立つ | |
Coriolisの力 速度に垂直なので仕事はしない |
定義・原理等
覚える.
式 | 解説 |
---|---|
運動方程式 | |
運動エネルギー | |
仕事 | |
エネルギー原理 運動方程式から導出 | |
運動量 | |
力積 | |
運動量原理 運動方程式から導出 | |
角運動量 | |
力のモーメント | |
力積モーメント | |
運動量原理 運動方程式から導出 | |
保存力の必要上十分条件積分形 | |
保存力の必要上十分条件微分形 | |
ポテンシャルと保存力の関係積分形 | |
ポテンシャルと保存力の関係微分形 | |
力学的エネルギー | |
力学的エネルギー保存則 | |
重力ポテンシャルのポアソン方程式 発散定理により重力加速度を求める |
導出
公式は覚えなくてもよいがそれを基本に問題を解くことがあり,なるべく早い導出を身に着ける.
放物運動の経路曲線の導出
放物運動の命中角の導出
※はの鉛直投射の最高点高さである.
安全限界放物線の導出
命中角が重解のとき限界であるため
放物運動の最高点到達時間の導出
放物運動の最高点高さの導出
放物運動の水平落下時間の導出
大きいほうの根をとり
※放物線の対称性より最高点到達時間の2倍
放物運動の水平到達距離の導出
速度比例抵抗一様重力場中の速度の導出
速度比例抵抗一様重力場中の位置の導出
速度比例抵抗一様重力場中の経路曲線の導出
速度比例抵抗一様重力場中の最高点到達時間の導出
速度比例抵抗一様重力場中の最高点高さの導出
熱力学
後藤憲一必修問題
赤は必修,デフォルトは必修の知識で解けるが編入試験水準超過または問題文の導入による補助知識によって解ける,灰色は編入試験範囲外と実際に解いて独断したものである.
なるべく勉強時間を物理学にかけたくない場合,必修の問題を解くことをお勧めする.
各章,各セクションの見出しは問題の数であり,丸括弧は必修の数である.
力学では4章,5章,電磁気学では2章,5章,9章,11章,12章,13章は範囲外とした.力学の1章は気が向いたらやります.
- 力学
- 電磁気学
力学
第1章
§1.
未学習
§2.
未学習 注目:〔3〕で球座標での運動が学習できる
第2章 224問(内必修110問) 質点の力学
§3. 17問(内必修11問) 運動法則・保存則・保存力
自然座標,極座標における運動方程式は基底の定義を知れば覚えなくてよい.
(3.4)の横加速度は間違い
〔1〕 | |
---|---|
{1.1} | |
〔2〕 | §13{4.3}より張力や拘束力は基本的に仕事しない |
〔3〕 | 仕事の割合とは仕事率の意味 |
{3.1} | 振動するが一番最初に速度が0になるのはという意味速度は原点に向かっているため負 |
{3.2} | |
{3.3} | |
〔4〕 | は覚える連鎖律である速度の指数が負の場合,を代入すると発散する積分区間の上端のがないのは間違い |
{4.1} | 不定積分でなく〔4〕のように積分区間]の定積分で解いてもよい微分方程式の解法の観点から不定積分のほうが一般に特殊解や積分量を求められるが定積分が使えるときは定積分のほうが早いことが多い |
〔5〕 | 工率とは仕事率の意味直線運動の場合,仕事率による力は抵抗力のかかる物体に対し一定の力や仕事率を与えたら速度は単調に増加し最終的に最大速度になるつまりそのとき加速度はであるこれも積分区間]の定積分で解いてもよいの中身は絶対値であることに注意して絶対値を外し,またによって正の値を返すように式変形するとよい |
{5.1} | 左辺の間違いこれも積分区間]の定積分で解いてもよい |
{5.2} | |
〔6〕 | 1次元的経路を通るということは1つの媒介変数で表されるということであり,例えばをで積分するにも互いに相関があり定数のように積分できない保存力であり経路に依存しないため,簡単な原点を始点とする線分を経路に選べばいい |
{6.1} | 積分区間のはの間違いはの間違い |
{6.2} | |
{6.3} | 多変数関数における合成関数の微分であるが,全微分をで割ったとみてもかまわない |
{6.4} | 連鎖律を応用していることに注目 |
§4. 25問(内必修16問) 一様な重力の下での運動
この章の公式は覚えなくてよいが導けるようにする.(4.8)はを用い二次方程式の解の公式を用いて導く.図4.2のはの間違い.(4.15)のはの間違い.
この章は解説の行間を埋めて勉強してもよいが式変形の目的を考えるとよい.
〔1〕 | |
---|---|
{1.1} | 地上投射最大到達距離はが最大つまりで |
{1.2} | は力学的エネルギー保存則より |
{1.3} | 四次方程式は解けなくてよい(a)第2辺を移項し両辺2乗してから代入するとよい |
〔2〕 | 安全限界放物線は重解の条件であり,頂点で命中するということであるが,左辺が1より大きいので小さい根は負になり速度が虚数になるため大きい根を選ぶは絶対値であるがを考えているためであり正であるため外してよい |
{2.1} | |
{2.2} | 二次方程式の解の和は,の部分は打ち消され,それ以外は2倍される |
{2.3} | |
〔3〕 | 脳筋微分極値でもよいが積和変換によってを1つの関数の引数にすれば,その関数の大小をみればよい |
{3.1} | 初速はの間違い |
〔4〕 | はの絶対値が1以下であるため逆数のに変形して-1倍するよりと置けば問題としては位置による速度の変化を求めればいいため{4.1}のようにして最高点の高さを求めて(3)の計算を行えばいい(1),(2)は難しい |
{4.1} | 積分区間]の定積分で解いてもよい |
{4.2} | 積分区間]の定積分で解いてもよい |
{4.3} | 抵抗は速度と反対方向に働くため速度が変わる毎に注意が必要上昇積分区間]降下積分区間]の定積分で解いてもよい降下においては加速度の-1倍であり加速度は負であるため対数の絶対値は外してよい |
{4.4} | 解説のような解き方は知らないので斉次な場合を変数分離法で解き定数変化法で非斉次な場合を解けばよいはの間違い |
〔5〕 | 指数関数の展開,等比級数の展開を求めるとき(c)の分母を近似した難しい |
{5.1} | |
{5.2} | 対数関数の展開 |
{5.3} | わたくしなら脳筋二次方程式の解の公式で求める難しい |
{5.4} | 分母が0なので |
〔6〕 | 定数変化法で解くの積分は指数関数表現で置換積分して解けるのn乗はなどと置き,の部分積分により変形しについて解き積分漸化式の形にする |
{6.1} | より |
{6.2} | |
{6.3} | |
{6.4} |
§5. 28問(内必修16問) 振動
〔1〕 | 1回目の近似はという条件で平方根内の2次の項を落とし,と微小量の和の累乗の近似を行った運動方程式の復元項は糸と鉛直線がなす角がわからないため三角関数の直角三角形による定義を用いた2回目の近似は第1因子から,第2因子からを使ってを出しているが第3因子で乗のと微小量の和の累乗の近似を行った3回目の近似は2次の項を落とした単振動の運動方程式は |
---|---|
{1.1} | |
{1.2} | 弾性率とは,ばね定数とは異なりひずみに対する比例定数なので元の長さで割るはの間違いよって |
〔2〕 | 伸びたときだけというのは自然長からという意味B'を中心とした振動をするがBから上は復元力がかからないため鉛直投射になるは放物線の対称性よりAからBまでの落下時間を2倍すればよいB'つまり釣り合いの位置からの変位であるため重力の項はないはB'CB',はB'BとBB',はBABと往復するのにかかる時間である |
{2.1} | フックの法則に従う運動範囲でないと単振動しない |
{2.2} | 鉛直振動は釣り合いの位置からの変位を考えているため2つの復元力だけでよい水平振動の復元力は三角関数の直角三角形の定義とみればいい |
〔3〕 | 微小振動の理論よりつまりを復元係数つまりばね定数とみれば計算しなくてよい(振幅はばねの位置エネルギーを考え,運動エネルギーがのときの)周りのテイラー展開によって近似した1次の項は平衡点つまり微分が0なので0 |
{3.1} | (1)は言い換えると無限遠で運動エネルギーを持たない条件であり無限遠のポテンシャルエネルギーはなので力学エネルギーが負であることが条件ポテンシャルのグラフは1階微分と2階微分により極値と凹凸を求めるは負であることに注意積分はとするとと置換し,第1項は積分区間の置換から明らかに,第2項はと変形してになる積分公式を使う |
{3.2} | |
{3.3} | |
〔4〕 | |
{4.1} | |
{4.2} | 畳み込み(質量あたりの位置) |
{4.3} | 線形性である |
〔5〕 | |
{5.1} | |
{5.2} | |
{5.3} | |
〔6〕 | 畳み込みで解け |
{6.1} | 畳み込みで解け積和の公式は加法定理からのときは(ii)の途中式をに変えて計算すればよい |
{6.2} | 畳み込みで解け |
〔7〕 | |
{7.1} | |
〔8〕 | 不減衰変位入力振動系であるのがのように釣り合いの位置からの変位を用いればよい |
{8.1} | |
〔9〕 | |
{9.1} | |
〔10〕 |
§6. 50問(内必修16問) 中心力
〔1〕 | 単位ベクトルによって中心力はと表せ,その成分はなどとなる |
---|---|
{1.1} | 積分区間の下端はポテンシャルがになる無限遠点を考えればいい引力は無限遠点が最大のポテンシャルであるため有限遠点では負となり斥力はその逆である |
〔2〕 | ニュートン重力のポアソン方程式から考えるとよい重力加速度の場はであり球殻と同心の半径zの球の領域でガウスの発散定理を用いて解くと,球外のときはとしてとなるためとなり,球内のときは領域内に質量がないため直ちにポアソン方程式による解法は領域の境界面の法線方向成分しかわからないため法線方向を向かないような場合は注意が必要 |
{2.1} | |
〔3〕 | 中心力運動は平面運動になるため極座標系での運動方程式が使える可動区間は運動エネルギーが以上の区間である |
{3.1} | |
{3.2} | 二体問題の相対運動方程式を用いる運動方程式を積分したものは換算質量におけるエネルギー保存則になっている解説の置換積分は難しいためなどを推奨する |
〔4〕 | であるが,これよりと計算すればよい |
{4.1} | |
{4.2} | のにを入れ,円運動の角速度と速度の関係を用いればよい |
{4.3} | |
{4.4} | 中心力はを向き(反発を正),抵抗力はを向く速度の定義よりパラメータの時間微分と基底の線形結合なのでとなり,その絶対値はで得るは保存されないため偏角方向の運動方程式も必要でありそれぞれの方向の運動方程式はベクトルの運動方程式の両辺をそれぞれの基底と内積をとって得る |
{4.5} | |
{4.6} | |
{4.7} | 八の字になる |
〔5〕 | |
〔6〕 | |
{6.1} | |
〔7〕 | |
{7.1} | |
{7.2} | |
〔8〕 | 近似的に球対称であるため半径の球内の質量を中心に置いた中心力に近似的に等しい |
{8.1} | |
〔9〕 | |
{9.1} | |
〔10〕 | |
{10.1} | 不等式の等式は無限遠点で速度が |
{10.2} | |
{10.3} | |
{10.4} | |
{10.5} | |
〔11〕 | |
{11.1} | |
{11.2} | |
{11.3} | |
{11.4} | |
{11.5} | |
{11.6} | |
〔12〕 | |
{12.1} | |
{12.2} | |
{12.3} | |
〔13〕 | |
{13.1} | |
{13.2} | |
〔14〕 | |
{14.1} | |
〔15〕 | |
{15.1} | |
{15.2} |
§7. 43問(内必修19問) 束縛運動
〔1〕 | |
---|---|
{1.1} | |
〔2〕 | 束縛領域は円板 |
{2.1} | 束縛領域は円周 |
{2.2} | 反力がのときの運動方程式と力学的エネルギーの保存則の連立方程式で離れるときのとを求める離れる位置を原点として中心の座標を求め,放物運動する質点の時間に対する座標の2式から時間を消去し座標を入れて解く座標を入れてからなるべく簡単にしてとの解を入れてもいいがとの関係で片方を消去してから入れたほうが早い二重混合は |
{2.3} | |
{2.4} | |
〔3〕 | |
{3.1} | |
{3.2} | 糸は引っ張ると力点と固定点の間のすべての点で張力と反力が釣り合った状態になる |
〔4〕 | |
{4.1} | 曲率半径法線方向運動方程式 |
{4.2} | ポテンシャルはで停留点はなのでばね定数はで |
{4.3} | |
〔5〕 | |
{5.1} | |
{5.2} | |
{5.3} | |
〔6〕 | |
{6.1} | 2階非斉次線形微分方程式 |
{6.2} | おもろい |
〔7〕 | |
{7.1} | |
〔8〕 | |
{8.1} | |
〔9〕 | (1),(2)は鉛直及び水平方向に分解し三平方の定理を用いればよい(3)の意味は{9.2}参照 |
{9.1} | 読み物 |
{9.2} | 読み物 |
{9.3} | 読み物 |
〔10〕 | |
{10.1} | |
〔11〕 | |
{11.1} | |
{11.2} | |
〔12〕 | 円筒座標系でエネルギー保存則を立てるわけだが高さについて計算するため,拘束条件と基準平面(面)における速度モーメント一定によっての式にする拘束条件は,より得られる速度モーメント一定は抗力(重力の円錐垂直成分の負)の基準平面への射影が原点を向いているため,基準平面への射影は中心力による運動と考えることができるは初期のエネルギーの式によって計算できるのときのを求めて最下点の高さを求めるが初速度が水平方向のためのときを含み,で割った商を整式の除算の筆算などによって計算するとよい |
{12.1} | 拘束条件は |
〔13〕 | |
{13.1} | |
{13.2} | |
〔14〕 | |
{14.1} | |
{14.2} | の積分で解いてもよい積分区間,の定積分で解いてもよい答えはの間違い |
{14.3} | おそらくの間違い 整理は知らん |
§8. 54問(内必修32問) 相対運動
(8.7b)第3項にドットがないのは間違い
〔1〕 | |
---|---|
{1.1} | |
〔2〕 | 解説のの積分は§7. 〔14〕参照普通に積分してもよいがどちらもであることに注意 |
{2.1} | の値というより厳密には下側極限である |
{2.2} | (6.15)参照 |
{2.3} | |
{2.4} | |
〔3〕 | 座標もしくは時間はより簡単にととっても一般性を欠かない(このとき原点は回転軸上にとっているが,経路は回転軸を通るとは限らないのでは任意定数でおく必要がある)またのに対する初期位相もとなるように座標もしくは時間をとると簡単になり,回転行列を用いてとすると逆行列によって簡単に求めることができる(点が能動的に回転しているのではなく,座標変換によって受動的に回転しているため座標を時計回りに回転させるのは点を能動的に反時計回りに回転させる回転行列と同じである) |
{3.1} | |
{3.2} | |
〔4〕 | |
{4.1} | |
{4.2} | |
{4.3} | |
〔5〕 | |
{5.1} | |
{5.2} | |
〔6〕 | |
{6.1} | |
{6.2} | |
{6.3} | |
{6.4} | |
〔7〕 | |
{7.1} | |
{7.2} | (2)はの定義域が系の設定上でありはその定義域で外形をみるまず定義域の境界の値,はで定義できないため片側極限をそれぞれ求め,次にを微分して傾きの正負をみるとよい |
〔8〕 | |
{8.1} | (3.4)に間違いがあるので注意 |
{8.2} | Coriolisの力は速度と角速度の外積方向に働く |
〔9〕 | をで微分して傾きを求め接線方向の力のつり合いでやってもよいしかし微小振動におけるポテンシャルの2階微分のばね定数とのアナロジーを用いると周期は簡単に求まる |
{9.1} | 一般的には方向を正とする力安定の場合,復元力とみなせる中性とは等速運動をする状態 |
{9.2} | |
〔10〕 | 9のようにやってもよいが面倒円の束縛運動は角による記述を狙うとよい近似は加法定理を使ってから |
{10.1} | 小さい弧のほうにも条件によっては平衡点がある |
{10.2} | お洒落正弦定理おk |
{10.3} | |
{10.4} | |
〔11〕 | Coriolisの力は仕事をしない |
{11.1} | |
{11.2} |
飽きた
§9. 7問 荷電粒子の運動
Coulomb力とLorentz力がわかっていれば,「へー,一様磁場中の電荷って円運動するんだ」程度でいいんじゃないでしょうか
第3章 358問(内必修?問)
§10. 70問(内必修?問) 質点系の運動
〔1〕 | 2剛体には拘束条件があり,例えば斜面の頂点からの距離をそれぞれの座標とすると,その和は糸の長さで定数であるよって加速度は符号違いで等しくなる(どちらを正にしてもよい) |
---|---|
{1.1} | 垂直抗力や摩擦力の作用点は剛体と接する面にあるが,その位置は静止状態や並進運動状態の場合,力のモーメントが釣り合う位置にあるこの問題の場合,を大きくすると(を大きくすると)垂直抗力と動摩擦力の作用点の位置はどんどん点に近づき,重なると倒れるそのため点周りの力のモーメントの釣り合いの式に垂直抗力と動摩擦力は出てこない(動摩擦力のモーメントは常に)重力による点周りの力のモーメントは慣性力の作用点は重心 |
{1.2} | エネルギー保存則 |
〔2〕 | 作用反作用によって板と人の間の内力は打ち消しあうため,それぞれの運動方程式を足した |
{2.1} | この場合,最終的に元の位置にもどっていればいいので途中,板は動いてよい |
{2.2} | 板は反対に動くので負になる |
〔3〕 | (1)難しいこと言っているがこの場合,エネルギーの保存則と等価である(2)でやった(3)近似の仕方が違っても角周波数や周期は同じになる定数項があるが普通の単振動の式でも平衡状態を基準としない位置を用いると定数項がでる |
{3.1} | 丁寧に計算した勢からは反感を買う近似 |
{3.2} | 運動量保存則などといっているが水平方向の運動方程式を時間積分したとみてよい |
{3.3} | やっていることは全問と同じ |
〔4〕 | 読み物をかけて積分とあるがエネルギー保存則である |
{4.1} | 読み物質量中心はでそこに集まって運動したときの運動量は |
{4.2} | 解説と問題の端から静かに落とすというのが,,逆なのは間違い解説でいうはでであるが質量中心系からみるとであるため角速度は最後のようになる |
〔5〕 | は内力なので質点系の運動方程式では相殺する |
{5.1} | |
{5.2} | |
{5.3} | 机からの抗力は外力である |
〔6〕 | 読み物 |
{6.1} | |
{6.2} | |
{6.3} |
§11. 17問(内必修?問)
未学習
§12. 70問(内必修?問)
未学習
§13. 51問(内必修?問)
未学習
§14. 51問(内必修?問)
未学習
§15. 62問(内必修?問))
未学習
§16. 37問(内必修?問)
未学習
電磁気学
第1章 67問(内必修41問) 静電界I:真空中の静電界
§1. 25問(内必修22問) 真空中の電荷分布による静電界
〔1〕 | (2)は拡大係数行列を使うとランクが低いことが明らかで,行基本変形後,連立方程式に戻しを任意定数と置いて解くとよい |
---|---|
{1.1} | 張力の成分を含まないように糸に垂直な方向を考える |
{1.2} | 三角関数の三角比による定義を用いるは三角関数の基本相互関係を用いればよい |
{1.3} | 符号に注意 |
〔2〕 | 距離や電場は符号付としてもよい((1)は右向きの電解の強さを正にすると両電荷の中間では負になる)(1)は位置によって電場の求め方が異なる |
{2.1} | |
〔3〕 | |
{3.1} | |
{3.2} | |
〔4〕 | 連続的電荷分布の電位は分布領域で積分すればよい電場も求められる |
{4.1} | |
{4.2} | |
{4.3} | の近似はA,Bから直線POに垂直に線を下ろしてできる直角三角形における三平方の定理をとして導かれる |
〔5〕 | |
{5.1} | |
{5.2} | |
〔6〕 | |
{6.1} | 読み物 |
{6.2} | よくわからん |
〔7〕 | |
{7.1} | 四極子の場合,2次近似までしないとになる |
〔8〕 | |
{8.1} | |
〔9〕 | |
〔10〕 |
§2. 42問(内必修19問) 電気力線とGaussの定理
〔11〕 | 閉曲面は電気力線が斜めに交わらないように柱状のものを考える |
---|---|
{11.1} | |
{11.2} | 静電状態では,導体内部の電場,電位差はであるもし存在するなら直ちに電荷が流れる中間の電場がから出るものを考えていないのは間違い |
〔12〕 | |
{12.1} | |
{12.2} | |
〔13〕 | 閉曲面は電気力線が斜めに交わらないように円筒状のものを考える |
{13.1} | |
〔14〕 | |
{14.1} | |
{14.2} | |
{14.3} | 接地すると導体の電位がになる |
〔15〕 | |
〔16〕 | |
{16.1} | |
{16.2} | |
{16.3} | |
{16.4} | |
〔17〕 | 読み物 |
{17.1} | |
{17.2} | 薄肉の圧力と同じ求め方 |
〔18〕 | 全球との立体角の比 |
{18.1} | |
{18.2} | |
{18.3} | |
〔19〕 | |
{19.1} | |
〔20〕 | |
{20.1} | |
{20.2} | |
〔21〕 | |
{21.1} | |
{21.2} | |
〔22〕 | |
{22.1} | |
{22.2} | |
〔23〕 | |
〔24〕 | |
{24.1} | |
〔25〕 | |
{25.1} | |
〔26〕 |
第3章 87問(内必修?問)
§1. 57問(内必修?問)
未学習
§2. 28問(内必修?問)
未学習
§3. 2問(内必修?問)
未学習
第4章 124問(内必修?問)
§1. 55問(内必修?問)
未学習
§2. 15問(内必修?問)
未学習
§3. 54問(内必修?問)
未学習
第6章 79問(内必修?問)
§1. 45問(内必修?問)
未学習
§2. 34問(内必修?問)
未学習
第7章
§1.
未学習
§2.
未学習
§3.
未学習
第8章
§1.
未学習
§2.
未学習
§3.
未学習
§4.
未学習
§5.
未学習
第10章
§1.
未学習
§2.
未学習
§3.
未学習
高専生のための解析力学
※pc推奨
解析力学とは質点・質点系・剛体の力学にとどまらず電磁気学,相対性理論,量子論とほとんどの現代物理学の根幹をなす,すなわち物理の常識である.そんな解析力学は物理学者のみならずエンジニアにも好まれる大変便利なツールという一面を持つ.エンジニアにとって具体的にどのような場面で使われるかというと剛体の運動方程式を導くときと,振動系の固有振動数や運動方程式,その解を導くときに使われる.なぜ好まれるのかというと,系が複雑でも極めて機械的に解くことができるからである.エンジニアにとって興味があるのは物理現象ではなく作るものの力学的な量でありそれを求めるためにケースバイケースで考えるのは効率が悪い.これを高専生が学んだら将来エンジニアになってからだけでなく試験や実験で活用でき学ぶ価値がありそうなのでこの記事を書こうと思うに至った.今回扱うのは解析力学の中でもラグランジュ形式とよばれるものである.理論的な説明でわからなくてもいいのでとりあえず読み進め,豊富な具体例で理解することをお勧めする.
ラグランジアン
系の運動エネルギーと系の位置エネルギーに対し
と定義される量をラグランジアンという.これが何を意味するのかはナンセンスな問いである.僕もわからないしこれに物理的もしくは幾何的意味を与える重要な理論など存在しないと思う.ただこれを使っていろいろやるだけである.「系の」とつけたが例えば複数の物体の系のエネルギーはすべての物体のエネルギーを足したものになる.物体が複数ある系は運動方程式から議論を始めると物体の数だけ(回転するならそれよりも)方程式を立てなければならず効率が悪い.そこで系の全エネルギーまたそこから作られるラグランジアンから議論を始めると一つで済むので大変好ましい.ラグランジアンとは系の情報の親玉なのである.さての覚えるべき具体例は
の以上4つである.文字の上の点は時間の1階微分を表す.運動エネルギーは3次元的に運動するのであれば
のようにあらわされる.回転運動のエネルギーはより一般的には慣性モーメントは行列で与えられ,回転角も列や行で与えられるが高専の範囲ではどちらも一成分で与えられるように値をとるのが普通である.一様重力場のエネルギー以外は2乗になっており位置の正負の方向を考えなくてよくなっている.位置エネルギーはほかにも
などがある.剛体の問題で重力を加味する場合,万有引力ではなく一様重力場を使って近似するのが普通である.
オイラー=ラグランジュ方程式
拘束条件・非保存力・強制力なし
は一般位置といい,具体的には位置や回転角である.これがどう導かれるかはエンジニアにとっては心底どうでもいいことである.ここで注意したいのは,とは別の変数と考えて計算することである.例えばある系のラグランジアンがありを変数に含むならをなどに置き換えてオイラー=ラグランジュ方程式を3本作ることができる.普通一般位置が位置であるときオイラー=ラグランジュ方程式はニュートンの運動方程式になり,回転角のときはオイラーの運動方程式になる.何がうれしいか,位置であろうが回転角であろうがラグランジアンを用いると方程式の形が同じなのである.例えば直交座標系ではなく,極座標系を用いても同じ形になるのだ.
拘束条件・非保存力・強制力あり
拘束条件とは式中ののことであり一般位置同士の関係である.例えば円柱が静止摩擦力により滑らず坂を転がるときという関係があるがとしたものである.系の拘束条件はいくつあってもいいが高専のレベルならせいぜい1, 2個である.は未定乗数とよばれるものであり,拘束条件の数だけあり,一般位置の数のオイラー=ラグランジュ方程式と拘束条件の連立によって求められるもしくは消去されるものである.この作業は手間がかかるので例えば先ほどの円柱の例だとやをラグランジアンに代入してできるだけラグランジアンに含まれる,求めたい方程式の変数以外の変数を減らして計算した方が早いことが多い.ここだけはどうしてもケースバイケースであるため消去するか残すかの判断がいる.ちなみに式の3項目は糸が剛体を引っ張ったり,円柱が静止摩擦力により滑らずに転がるときの張力や静止摩擦力,つまり拘束力になっており解析力学では未定乗数を求めたり消去する操作や,拘束条件をラグランジアンに代入する操作により拘束力を考えなくてよいようになっていて大変好ましい.2つの変数が比例の関係にあるような拘束条件の場合,簡単そうな片方を選びオイラー=ラグランジュ方程式を求め両辺比例定数倍すれば他も導かれる.
は非保存力であり,非保存力とは力学的エネルギー保存の法則を満たさないような力であり代表的なものに動摩擦力がある.他にも流体中の剛体にかかる粘性抗力と圧力抗力がある.振動における減衰項もこれにあたる.ここでいう拘束力や非保存力,強制力の「力」は一般力という意味での「力」であり,一般力とは具体的には力や力のモーメント,トルクのことである.普通,一般位置が位置のときのオイラー=ラグランジュ方程式の一般力は力であり,回転角のときの一般力は力のモーメントやトルクになる.は一般位置の正の方向を正とし剛体が一般位置の正の方向に運動している場合負になることがほとんどである.
は強制力であり,モーターや人の手などによって強制的にかかる一般力のことである.と同様一般位置の正の方向を正とする.は主に熱へのエネルギー散逸,は系へのエネルギー供給によるものである.本来解析力学は保存力(重力や電磁気力)のみによる系を扱うものであるが剛体の問題ではそれ以外の力がかかることがあるため非保存力や強制力の項を加えなけらばならない.
剛体問題の運動方程式の求め方
- 系のラグランジアンを求める
- 拘束条件を求める
- 比例拘束条件か吟味する
- ラグランジアンの変数の消去を試みる
- 非保存力・強制力を求める
- 求めたい一般位置のオイラー=ラグランジュ方程式を求める
- 未定乗数を消去する
この方針で膨大な数の剛体力学における物理モデルの方程式を導くことができる.
例
放物運動
拘束条件なし
非保存力・強制力なし
物理モデル1
非保存力・強制力なし
物理モデル2
非保存力・強制力なし
物理モデル3
非保存力・強制力なし
単振子
ダメなやり方
未定乗数を残す
非保存力・強制力なし
※を消去し位置に拘束条件の変形を入れることによって得られるがこのやり方は賢くないので省略する.振子の問題はまず位置でラグランジアンを求めてから回転角へ変数変換してオイラーの運動方程式を求めるやり方が賢い.
いいやり方
拘束条件なし
非保存力・強制力なし
二重振子
拘束条件なし
非保存力・強制力なし
水平ばね振子
拘束条件なし
非保存力・強制力なし
垂直ばね振子
拘束条件なし
非保存力・強制力なし
斜方ばね振子
拘束条件なし
非保存力・強制力なし
2原子分子振動子
拘束条件なし
非保存力・強制力なし
2体連成振動子
拘束条件なし
非保存力・強制力なし
2階線形多自由度振動系(書き途中)
剛体力学の運動方程式を導く究極理論を得たわけだが家に帰るまでが遠足であるように運動方程式を立て解を求めるまでが力学である.解を求める操作は解析力学の役割ではない.微分方程式を解くのはフーリエ・ラプラス解析やグリーン関数などの役割である.しかし解析力学によって多少は楽に解けるようになる系が知られている.それは2階線形多自由度振動系である.これはかなり重要な系で前節の例のほとんどはこの系の一種である.
2階線形多自由度振動系とは運動方程式が
との2階線形微分方程式で表される系である.自由度とは要するに一般位置の数である.は一般位置の列であり,具体的には自由度をとすると
と表すことができる.
2階線形多自由度振動系の運動方程式をオイラー=ラグランジュ方程式に対応した形に式変形すると
となる.符号までブレースがかかっていることに注意されたい.1自由度系では3つの行列は0以上の実数になるが慣性力,非保存力,保存力がそれぞれ「加速度」,「速度」,「変位」に対して反対に加わるということである.普通,拘束条件はないものとする.非保存力・強制力の有無で系の名前がついている.
振動系 | 非保存力なし:不減衰振動系 | 非保存力あり:減衰振動系 |
---|---|---|
強制力なし:自由振動系 | 不減衰自由振動系 | 減衰自由振動系 |
強制力あり:強制振動系 | 不減衰強制振動系 | 減衰強制振動系 |
高専の範囲だと1自由度系なら4つの場合すべてやるかもしれないが多自由度なら不減衰自由振動系までだろう.需要に応じて加えるが強制振動系は現時点扱わない.
ラグランジアンは
である.は転置を意味するが解を求める際運動方程式を導く作業を飛ばすので行列の微分ができなくてもよい.「多少は楽」といったが多自由度系においてを求めるとき運動方程式から出発するとすべての運動方程式を導いてから行列で表せるように係数を考えなくてはいけないが,ラグランジアンから出発するとそれ一つから考えることができるので効率がいいということである.では1自由度系に恩恵はあるかといわれたらどうであろうか.しかし不減衰自由振動系において多自由度系と統一的かつ機械的な解法を提供する.
まず1自由度系から紹介する.解析力学は関係ないが2階線形1自由度自由振動系の解のまとめとして使ってほしい.
高専生にとって有益な情報は多自由度不減衰振動系にあるのでそこまで読み飛ばしても構わない
1自由度系の解
不減衰自由振動系
ラグランジアン
固有角振動数
特殊解()
1自由度自由振動系の解の求め方
- 系のラグランジアンを求める
- 減衰係数を求める
- 減衰比を求め1を基準に大小関係を求める
- 不減衰固有角振動数を求める(不足減衰の場合は減衰固有角振動数も求める)
- 特殊解を求める
1自由度系では1, 2番を「運動方程式を求める」に置き換えてもさほど解く早さは変わらない.覚えることは
減衰比
不減衰固有角振動数
減衰固有角振動数
という定義と
という公式である.不減衰固有角振動数で式変形前を書いたのはわざとで式変形前の式の形を覚えていただきたい.特殊解は覚えることはお勧めしないのでその場で求める能力を身に着けるべきである.
多自由度系の解
不減衰自由振動系
ラグランジアン
固有角振動数
固有モード
一般解
微小振動系
ここも試験後に自己満足で書きます.振子でも微小振動なら振動系として扱えるという理論です.
材力太郎2
PC推奨
※接頭辞に注意
※xは片持ち梁は左方向,単純支持梁は右方向,yは共に下方向を正とする
よってたわみ角は片持ち梁は右上り,単純支持梁は右下がりが正となる
※最大とは絶対値の大きさを指す
※単純支持梁において片方の支点は移動支点とする
基礎方程式
片持ち梁
※以下の基本的な事象の重ね合わせが成り立つ.
モーメント荷重
先端モーメント荷重
曲げモーメント
たわみ角
最大たわみ角
たわみ
最大たわみ
中間モーメント荷重
曲げモーメント
たわみ角
最大たわみ角
たわみ
最大たわみ
※xをBからとる場合xをx-aと置き換えよ.最大たわみ角,最大たわみは不変.
※Lの定義に注意
集中荷重
先端集中荷重
曲げモーメント
たわみ角
最大たわみ角
たわみ
最大たわみ
中間集中荷重
曲げモーメント
たわみ角
最大たわみ角
たわみ
最大たわみ
※xをBからとる場合xをx-aと置き換えよ.最大たわみ角,最大たわみは不変.
※Lの定義に注意
分布荷重
等分布荷重
曲げモーメント
たわみ角
最大たわみ角
たわみ
最大たわみ
歯ブラシ荷重
曲げモーメント
たわみ角
最大たわみ角
たわみ
最大たわみ
固定端最大三角分布荷重
曲げモーメント
たわみ角
最大たわみ角
たわみ
最大たわみ
自由端最大三角分布荷重
曲げモーメント
たわみ角
最大たわみ角
たわみ
最大たわみ
単純支持梁
※以下の基本的な事象の重ね合わせが成り立つ.
モーメント荷重
曲げモーメント
たわみ角
最大たわみ角
たわみ
最大たわみ
※絶対値の大きさであるため実数としての大きさを問われた場合この中で正のものを選べ
集中荷重
曲げモーメント
たわみ角
最大たわみ角
たわみ
最大たわみ
分布荷重
等分布荷重
曲げモーメント
たわみ角
最大たわみ角
たわみ
最大たわみ
三角分布荷重
曲げモーメント
たわみ角
最大たわみ角
たわみ
最大たわみ
突き出し梁
左右対称集中荷重
曲げモーメント
たわみ角
最大たわみ角
たわみ
最大たわみ
材力太郎
※これは解説ではなく、公式化されたものです。文字に値を代入するだけとなっていますが、何故そうなるのか確かめると身のためです。
※単位変換をする必要はありません。
長さ l [cm], 幅 h [cm], 厚さ t [cm], の鉄板の左端を万力で固定した.この板の中央部分にサインペンで直線AB [mm]を引いた.この板の右端に引張り力とせん断力を加えたら,図のように,ABがA’B’に移動しA’C [mm], CB’ [mm]となった.ただしAB // A’C, ∠A’CB’=90°である.せん断ひずみ γ を求めよ.
直径d [cm], 長さL [cm]の丸棒がP [N]の引っ張りを受けてλ [m]伸びたときの縦弾性係数E [GPa]を求めよ
横幅x [m], 高さh [cm]の三角棒を2等分に切断するのにP [kN]の荷重が必要であった.このときτ [MPa]のせん断応力が生じたとすると.この三角形の横幅はいくらか?
短い丸棒にP Nの圧縮荷重が軸方向に作用し、σ MPaの応力が生じたときの棒の直径d [m]はいくらか。
径d mm,長さL mの丸棒が引っ張り荷重のためにεのひずみを生じている.伸びλ [m]はいくらか
中空円筒(内径d1,外径d2)にP [kgf]のせん断力を加えたとき,円筒に生じる せん断応力τをτ [hPa]にするには,円筒の内径d1[m]はいくらにすればよいか? ただし,円筒の外径d2 [m]とする.
中空円筒(内径d1,外径d2)の上に重さM [kg]の板を置き,さらにその上にN [kg]のおもりを乗せたとき,円筒に生じる圧縮応力σmaxをσmax[kPa]にするには,円筒の内径d1[m]はいくらにすればよいか? なお,円筒の外径d2 [m]とする。
中空円筒を2枚の板ではさみ,P[kN]の力で圧縮するとき,円筒に生じる圧縮応力をσ [MPa]以下にとどめるには,円筒の外径 d2 [m]はいくらにすればよいか.ただし,円筒の内径 d1 はd1 [mm]とする.
断面積A [m^2], 長さl [m]の棒の両端を剛性壁にのりづけし,左端より距離b [m]の位置Cに右端方向に荷重P [N]を加える.位置Cから右端までに生ずる応力を求めよ.
図に示すように直径d mm,長さl m の軟鋼製丸棒を天井にのりづけし,下端に W [kN]の荷重を加える.この棒の伸びλ [m]を求めよ.ただし,縦弾性係数 E GPaとする
天井に丸く真っ直ぐな棒を取り付けたとき、に直径d cm,長さl cm の軟鋼製丸棒をλ cm 伸ばすのに要する引張り力P [N]はいくらか.ただし,縦弾性係数E GPaとする
直径d mmの丸棒に引張荷重を作用させたところ,直径がλ' mm縮んだ.横ひずみはいくらか.
縦ひずみがε,ポアソン比がνであったときの横ひずみε'を求めよ
軟鋼棒の極限強さがσ MPaであった時、直径d cmの軟鋼棒を破断させるのに必要な荷重P [MN]を求めよ
2枚の板を,1本のリベット(直径d [m])で結合し,P [N]の荷重を加えるとき,生ずるせん断応力τ [MPa]はいくらか.
長さがL cmの丸棒が引っ張り応力σ MPaを受けているときの伸びλ [mm]を求めよ。なお縦弾性係数はE GPaとする
縦ひずみがεであるとき,伸びがλ mmであった.元の長さL [m]はいくらか
厚さ t [mm] の鉄板にポンチを用いて、直径 d [mm]の円孔を開けたい.ポンチに生ずる垂直応力σ [MPa]はいくらになるか.ただし鉄板にτ [MPa]のせん断応力が生じたとき,鉄板は破断するものとする.
直径d[m]の球を2等分に切断するのにW[kN]の荷重が必要であった.このときτ[MPa]のせん断応力が生じたとすると.この球の直径[m]はいくらか?
長さL0の丸棒を圧縮したところ,長さがLmm,縦ひずみがεになった.変形前の元寸法は何mmか.